結婚する耕へ
皆様お元気ですか? この詩は息子を出産した当時ドイツに留学していた耕の父親が送ってくれたものです。 ドクターや助産師さんが驚くほどの難産の末生まれた子に私たちは耕と名付けました。夫が愛してやまない亡き母(耕の祖母、「耕す女」として生涯を終えた人)にちなんで私たちは耕と名付けました。 「耕とその母であるあなたに」 ぼくは想像していました あなたたちが 京都の街の 御所に近い病院の一室で 一つの昼と一つの夜を 一緒になってやり抜いたことを。 その明け方の空が どんなに青く そして だんだんと白く 明るんでいったかを ここから思い浮かべていました。 ひょうたんになった耕の頭を あなたが荒い息の中でどんなにやさしい思いで 撫でただろうと、 それから 小さな保育器のなかで 他の仲間たちと並んで 一緒に眩しそうに 声を上げている君、 耕 その回りを 親しい人々が 包みこむように見つめる姿 おばあちゃんもいます おじいちゃんも、 それから おじちゃんやおばさん 直ちゃんも暁子さんもいます。 手足をもごもごと動かし まだあなたの海を泳いでいるように、 世界の感触